ちいさなおうち

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はじまりは、リノベーション

計画の始まりは、築33年のご自宅のリノベーションでした。
打合せの時に、気にされていたのはリノベーション計画の不確かさ。
築33年となると耐震性を高めたり、断熱性能の向上や既に被害のあった白アリ対応など、どうしても一度スケルトン状態にして状況を確認してからでないと、最終的なコストが算出できません。
設計者としても現状からあらゆる状況を想定して手戻りの少ないリノベーション計画を立てるのですが。。。クライアントにとっては最後まで気がかりな部分でした。
 
本プロジェクトでは数か月のリノベーション検討の末、リノベーションではなくコストを押さえたコンパクトな建て替えを行うことになりました。

【ダイニングからデッキ、リビングを眺める】
勾配天井と米杉材を使った柔らかな平天井を組み合わせたリビングダイニングです。
米杉の天井は外部の軒までつながりコンパクトな空間を視覚的に広げる効果があります。
2Fリビングはプライバシーを気にせず公園の緑や富士山を望むことができる開放的な場所となっています。
大きな軒先空間は、夏の暑い日差しを遮り冬の低高度の日光を室内に取り込むように 設計され、パッシブデザインの考えのもと環境負荷に配慮した建物となっています。

【和室】
コンパクトにまとめる工夫は、シンプルな障子と紙畳。
障子は全ての見付け(正面からみたときの幅)を統一してシンプルにまとめました。
来客用の布団を収納する部分は吊押入れとし、収納の下の部分も室内の一部として使えるように工夫しました。

【ダイニング】
腰高のコーナー窓は室内の落ち着きと、開放感を両立できるように設計されています。
高窓から注ぐ光が室内を優しく包み込みます。

【外壁材】
信州カラマツを採用しました。
写真は松本の森と工場視察の様子です。

敷地    :神奈川県
敷地面積  :110.69㎡
建築面積  :47.20㎡
延べ床面積 :87.91㎡
特徴    :板張りの外壁・天井、珪藻土の勾配天井、
       公園の借景、軒の深いデッキ

※特記なき写真:Ippei Shinzawa

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