鎌倉の家

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森と滑り台

弊社の近くにお住まいのクライアントから「都内から移り住む住宅のリノベーションをお願いしたい」というご相談からスタートした計画です。
当初はツーバイフォーの住宅を間取りを変えて、、、というお話で何案かご提案しましたがツーバイフォーが故の不自由な構造のため、ご要望を満足できる改修案が難しいということになり建て替え計画に変更となりました 。
初めて敷地を訪れた時に心動かされたのは敷地東側にある豊かな森でした。森と敷地は道路を隔ててつながっているのですが、どうにかしてこの森の緑を取り込み、都内では味わえない豊かな暮らしが出来きないかと模型やスケッチでイメージしながら計画をまとめていきました。
 
天井の高さにメリハリをつけ色々な場所を設け、それが外部からも認識できるように外壁のデザインを変えて建物のリズムを作り出し、森と呼応する建物の形状を検討しました。
 
外構はあまり作り込まず、敷地に植える植栽が森とつながるように心がけました。
 
(撮影時は外構・植栽工事が未整備)

【ダイニングルームから森を眺める】
天井を高くしたダイニングスペースは森に面して大きな開口を取り
豊かな自然と広い空が室内を豊かにするように計画しました。
パッシブデザインの考えで作られたこの住宅は、キチンとした断熱とPS冷暖房を備えて大空間ですが寒暖によるストレスの無い環境を実現しています。
2階の子供スペースからダイレクトにつながる滑り台につながるR窓はこの空間に遊び心を加えてくれます。

 【子供部屋-フリースペース】
床材を柔らかいパイン材に変えて、のびのびと遊べる空間としています。
個室は作らず、将来的に必要になった際に作れるように構造的に配慮しています。
むき出しの柱や梁には今後、クライアント自らの手によって遊具が設置される予定です。

【リビング】
高い天井のダイニングと隣接してリビングを計画しています。
ダイニングに比べて天井高さを押さえて、落ち着いた空間となるように心がけました。
床は質感を損なわない塗装を施したオーク材、壁と天井は湿度コントロールに優れた 珪藻土を使用し夏の湿度対策を図っています。

【秘密の滑り台】
2階の子供部屋-フリースペースの秘密の扉を開けると、そこは1階に通じる「秘密の滑り台」
滑った先の正面の壁にはボルダリング用の足場を設けたり、スノコ状の床は秘密基地的に使ったりと、住まい手の発想で色々と工夫して使える余白を残すことをイメージ して設計しました。

敷地    :神奈川県鎌倉市
敷地面積  :419.71㎡
建築面積  :92.84㎡
延べ床面積 :168.41㎡(ロフト含む)
特徴    :板張りの壁、PS冷暖房、色々な遊び場、森とつながる家

※特記なき写真:Ippei Shinzawa

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